この記事は!
- ソフトテニスのダブルスを行う際の陣形について紹介しています。
- どのような陣形があって、どんな特徴があるか知りたい方は是非読んでみてください。
ソフトテニスでメインとなるのは2人でペアを組んで戦うダブルス形式の試合です。
1対1で戦うシングルスも行われますが圧倒的に機会は少なく、小学生や中学生では一部の上級選手以外はほとんど経験することはありません。(練習でやることはあると思います。)
今回はダブルスを行う際の陣形について紹介します。
ダブルスの陣形について
2人1組で試合をするにあたり、ある程度お互いの立ち位置(ポジション)を決めておきます。
立ち位置(ポジション)を決めておくことを ”陣形” と呼んでおり、一般的に2つの陣形に大別できます。
1.雁行陣
ソフトテニスのダブルスにおける一般的な陣形であり、一人がネット前に立ち、一人がベースライン付近に立ちます。
前後衛とも呼ばれ、ネット前に立つ選手が前衛、ベースライン付近に立つ選手が後衛なります。
ペアのタイプにもよりますが、攻守のバランスがとれている陣形といえます。
2.並行陣
雁行陣のように前後にポジションを分けず、左右に並ぶように立ちます。
2人が立つ位置により、攻撃重視となるか守備重視となるか変わってきます。
2人でネット付近に立つ陣形を、ダブル前衛やダブルフォワードと呼び、より攻撃重視となります。
2人でベースライン付近に立つ陣形を、ダブル後衛と呼び、より守備重視となります。
雁行陣(前後衛)の特徴
先ほども書いたとおり、ソフトテニスのダブルスというと雁行陣の方が一般的だと思います。
中学や高校の部活になると、前衛と後衛に分けられ、それぞれに別の練習メニューを行ったりします。
先ほど、攻守のバランスがとれていると書きましたが、ペアの特徴によって攻撃型や守備型になることもあります。
ですが並行陣と比べると、ダブル後衛のような極端な守備寄りの陣形よりも攻撃力が高く、ダブル前衛(ダブルフォワード)のような極端な攻撃寄りの陣形よりも守備力が高くなるため、バランスがとれていると表現しています。
雁行陣の戦い方・戦略
雁行陣の基本的な戦い方としては、後衛がストロークで展開を組み立て、前衛がボレーやスマッシュでポイントを取りにいく形となります。
前衛や後衛のタイプによって、得意な戦略が変わってきます。
後衛が打ち込んで、前衛は待つ
後衛のストローク力が高いペアに多いタイプです。
後衛が威力のあるシュートボールをガンガン打って、相手が凌ぎ切れずに甘く上がってきたボールを前衛がキッチリ仕留めます。
ただし、シュートボールをミスなく打ち込み続けるには、かなり精度の高いストローク力が必要になります。
相手が凌ぎ切れなくなるよりも、先にミスでポイントを失うリスクもあります。
後衛がひたすらつなぎ、前衛が積極的に出てくる
前衛のボールに対する反応速度や積極性が強いペアに多いタイプです。
後衛は相手からのボールを無理にシュートボールで攻めに行かずに、ひたすらラリーを続けることに徹します。
当然シュートボールを打ち込み続けるよりミスのリスクは減りますが、相手が甘いボールを上げてくれるチャンスも減ります。
前衛が相手のコースをよみ積極的にポーチに出ることで得点につなげていきます。
動きまわる前衛に対し、後衛がしっかりとフォローできないと中途半端な立ち位置になりポイントを失うリスクがあります。
2人ともガッチリと守りチャンスを待つ
前衛、後衛ともに無理をせずにじっくり待ちます。
前衛は相手が後衛に打つようにポジションを構え、逆サイドだけを抜かせないようにキッチリ守りを固めます。
後衛は、相手が打ってくるボールをひたすらベースラインを走り続けラリーに徹します。
相手がしびれを切らせて、前衛の正面や浅い位置に甘くボールをあげてくるまで守りを固め、少ないチャンスをキッチリ決めにいきます。
後衛に相手のボールをひたすら凌ぎ続けるストローク力とスタミナが求められます。
また前衛は数少ないチャンスをキッチリ決めるコントロールが求められます。(ボレーやスマッシュもコースを間違えるとポイントを奪えずにラリーが続いてしまう事があります)
前衛も後衛もガンガン打ってくる
私が見てきた中で一番得点力が戦い方になります。
後衛がシュートボールや中ロブ、ショートクロスなどあらゆるストロークで相手を攻めます。
相手がなんとか凌いだボールをすかさず前衛が飛び込んでポイントを奪います。
また前衛も、かなりの広範囲で得点を狙ってきます。
そんなところからも打てるの?!という位置から容赦なくスマッシュを打ってきます。
また深い位置から少しでも緩い球を打つととんでもない距離を走ってボレーしにきます。
もはや相手はどこにもボールを打つ事ができなくなります。
ただし、このようなプレーができるのは、前衛・後衛ともに高い技術力が必要となり、この戦略ができるようなレベルな選手になると、型にとどまる事なくコート内を縦横無尽に走りまわりながらプレーしています。
雁行陣の弱点
攻守のバランスをある程度調整できる雁行陣ですが、弱点も当然あります。
一つずつ見ていきます。
後衛のスタミナ
後衛がコートの端から端まで走り周る展開もあります。
雁行陣との戦い方の一つに、前衛の上をロブで越して後衛を走らせるというものがあります。
この場合、後衛はベースライン上を走ってボールを追います。
相手がロブの上手い選手だと、1ポイントに何往復もさせられる可能性があります。
試合後半にスタミナ切れになると、相手の思うツボになってしまいます。
前衛のポジション
展開によって前衛の最適な立ち位置が変わってくるため、展開に合わせた立ち位置をとる必要があります。
立ち位置を間違えると、即相手のポイントになってしまう展開もありますので、注意が必要です。
特に、こちら側が打ったボールが浅くなった時に、いつもよりもサイドを守るようなポジションに立たないと、簡単にポイントを奪われます。
陣形が崩された時の対応
相手はこちらが万全な陣形を嫌がり、陣形を崩そうとしてきます。
後衛の前に短いボールを落として来たり、前衛が下がった位置で手が届くところにわざとボールを上げてきたりと、前衛と後衛のポジションを入れ替えようとしてきます。
本来のポジションと逆になってしまった時に、お互い不慣れなプレーが要求されるので、いつもどおりの力が発揮できずにポイントを落としやすくなります。
前衛がネットにつくタイミングが狙われる
前衛がサーブの時や、展開の中で前衛がベースライン付近まで下げられた時に、再び前衛はネットにつこうとします。
この時、中途半端な位置にいるときに足元や利き手と逆側に早いボールを打ち込まれると、返球がとても難しくなります。
返球できたとしても甘く上がったボールは相手にとって絶好のチャンスボールとなってしまいます。
並行陣の特徴
雁行陣と異なり、コートを左右に分けたような立ち位置になります。
実は小学生では結構な割合で並行陣(ダブル後衛)が多いです。
賛否両論あるようですが、始めのうちは雁行陣より並行陣(ダブル後衛)の方が試合になります。
また、最近は並行陣でも色んな戦略が考えられてきており、バリエーションが多彩になってきています。
トップ選手になってくるとダブル前衛(ダブルフォワード)が多くなってきます。
並行陣の戦い方・戦略
並行陣の中でも2つの陣形に分けられます。
2人ともネットにつくダブル前衛(ダブルフォワード)と2人ともベースラインにつくダブル後衛です。
2人で積極的にネットプレー
ダブル前衛(ダブルフォワード)での戦い方です。
2人でネット付近につき、ボレーやスマッシュでポイントを狙っていきます。
雁行陣での前衛のように、ネットに張り付くような位置ではなく、少しだけ後ろに立ち、簡単に頭の上を越されないようにします。
後衛がいないので、後ろにボールが飛ぶとフォローが難しくなるからです。
ネット付近での広い守備範囲が必要になるため、高い反応速度とネットプレーの精度が要求されます。
ボレーやローボレー、ハイボレーを駆使し、スピード感のある展開をつくり、甘くあがったボールをスマッシュでたたきます。
徹底的にラリー勝負
ダブル後衛での戦い方になります。
2人とも後衛ポジションとなるので、ボレーやスマッシュのような決定力のあるボールを打つことが難しくなります。
そのため、長いラリーを粘ることで相手のミスを誘う戦い方となります。
しかし、雁行陣と違い一人当たりの左右方向の守備範囲は狭くなるため比較的凌ぎやすく、まさに守備重視の戦略となります。
相手が雁行陣の場合は、ロブを積極的に使うことで相手の前衛を除き2対1の展開にもっていくこともできます。
関連記事 乱打の練習を工夫して上達を狙う
基本はダブル後衛、展開によって攻めに転じる
最近、小学生の中で強さを見せてきている陣形です。
基本は2人でベースラインに並びラリー勝負をしていきますが、相手のボールが浅くなったり、浅くなりそうな時にすかさず前に詰めていきます。
場面限定で雁行陣やダブルフォワードのようなポジションとなって、スマッシュやボレーを狙っていきます。
当然、ペアのどちらにもストローク力やネットプレーの技術、飛び出すタイミングを見れる洞察力などの高い競技力が要求されます。
まさにオールラウンダーといった戦い方です。
並行陣の弱点
それでは並行陣の弱点はどのようなものがあるんでしょうか
2人の間を抜かれる
雁行陣には無い並行陣ならではの難しいポイントです。
並行陣は基本的に守備範囲を左右に分けるような形となります。
ですが、どこからどこまでが、それぞれ守らなければいけない範囲なのかを明確に区別することはできませんし、場面によっても変わってきます。
調度2人とも手が出しづらいところに打たれるとお互い顔を見合わせてボールを打てなくなることがあります。
前後の動きに弱い
ダブル前衛ではコートの深い位置、ダブル後衛ではコートの浅い位置に打たれた時にフォローしづらくなります。
特に、小学生や中学生のダブル後衛では、まず浅い位置のボールをうまく捌けるどうかが勝敗を分けるといっても過言ではありません。
相手にとって打ち込みやすい
ダブル後衛での場合ですが、ネット付近に前衛が立っていないため、相手からするとボールを打ち込みやすいです。
前衛がいると、いくら早いボールでもコースを間違えると前衛に落とされるリスクがあります。しかし、ダブル後衛だと前衛がコースを遮る心配がないため、好きなボールを好きなように打てます。
相手が強烈なストロークを持っていると、ガンガン打たれるだけで押し切られてしまう事もあります。
ダブルスの陣形・まとめ
このようにソフトテニスにおけるダブルスでは陣形によって色々な利点や欠点があります。
それぞれの特徴を把握することで、戦略をたてるのに役立ちます。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました!
コメント