この記事は!
- 初心者から小学生・中学生のソフトテニスの練習メニューを考える時、どんな事に気を付けた方が良いのか書いています。
- ライバルに差をつけられるような練習メニューを、どのように組み立てていくか悩んでいる方は是非読んでみてください。
ライバルに比べて、同じくらいの練習時間を費やしているのになかなか実力差が縮まらなかったり、自分達よりも練習時間が少ないはずなのに、見るたびに上手になっていってる子に驚いた経験はありませんか。
そんな時は、もしかしたら練習メニューを考え直す必要があるかもしれません。
今回は、初心者から小学生、中学生のソフトテニス練習のメニューを考えるうえで気を付けたが良いポイントについて書いていきたいと思います。
例のごとく、私の経験に基づいた独断と偏見による内容となっていますのでご了承ください!
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ソフトテニスの練習メニューを目的別に考える
練習メニューを組み立てるにあたって、それぞれどんな目的があり、どのような意識をもって取り組んでいくのかを考えます。
ただ闇雲に行うのではなく、一つ一つ意識をしっかり持たせることで練習の効率が上がります。
たとえば、次に紹介するフォームの固定を目的に行う練習を、ただ漠然とボールを打たせてるだけでは時間の無駄です。
フォームの固定
おそらくソフトテニスを始めたばかりの子達に最初にやらせる練習になると思います。
ソフトテニスのスイングはフォームが非常に重要です。
上手な選手達をよく見ると、みんな打ち方が似ていると思いませんか?
実はそのスイングフォームこそが、さまざまな場面でしっかりとボールをコントロールするのに適した打ち方なのです。
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素振り
まずは素振りです。
いきなりボールを打たせたいし、子供達も打ちたい気持ちでいっぱいだと思いますが、まずは素振りです。
ただラケットを振り回させても意味がないので、飛んでくるボールをイメージさせ、一つ一つの動作を子供達と一緒に確認しながら行います。
これが非常に重要です。
素振りをしていても、ただがむしゃらに回数ばかり気にしてしまっている子達がいますが、それではせっかく素振りをしているのに効率が悪いです。
ストローク動作のポイントをひとつづつ意識しながら素振りをすることで、フォームを固定していきます。
構え→テイクバック→重心移動→上体のひねり→インパクト→フォロースルー
各動作をしっかり意識できているか
それぞれが上手く連動しているか
もし、何か気づいた事があればその都度子供達に伝えます。
たとえば・・・
- テイクバックがつくれていない、あるいは姿勢に入るのが遅い
- フォロースルーが中途半端になっている
などです。

フォアハンドだけでなく、バックハンド、回り込みのフォアハンドもそれぞれ行います。
ソフトテニスを始めて少し経ち、ボールがラケットに当たるようになってきた子は、ついついフォームを気にせずラケットを振りまわしてしまう事が多いので、特におススメです。
同じフォアハンドストロークでも回り込みになると、足の使い方や上体をひねってラケットを振るタイミングなどが通常のフォアハンドストロークと大きく異なるため、別の打ち方として扱います。
ボールをその場で手出しで一本打ち
素振りの次は一本打ちです。
注意するポイントは、素振り同様各動作がしっかりとできているか確認しながら行うことです。
素振りと違い、ボールがちょうど打点にきたときに合わせてラケットを振る必要がるので、タイミングをとるのが少し難しくなります。
素振りでは体重移動ができていたのに、ボールを打たせるとついつい腕に余計な力が入り手打ちになってしまう事がありますが、そうならないように気を付けます。
フォアハンド、バックハンド両方行います。
ボールを少し離れたところから手出しで一本打ち
続いて、少し離れた位置からボールを出して一本打ちをさせます。
ボールを出す位置も、練習者が2、3歩動かないと打点に入れない位置にします。
注意するポイントは、必ず自分の打ちやすい打点の位置に足を使って入るところから始めることです。
少し離れた位置にボールを出すと、あまり動かずに上体を倒したり腕を伸ばしたりして距離を調整しようとする子がいますが、それでは下半身を使ったストロークになりません。
また、打点も適切でないので、しっかりとした打球を打つことができません。
とにかくスイング動作の始まりは下半身なので、そのことを意識するよう気を付けます。
フォアハンド、バックハンド、回り込みフォアハンドで行います。
ラケットを使って球出し
手出し同様、数歩で届くあたりに球出しをします。
意識するポイントとしては、足の運び方です。
打点に入る際にスムーズに後ろ足→前足とスムーズな流れで体重移動ができるように足を動かします。
適当な位置に入って腕を伸ばしたり上半身で打点を調整するのではなく、必ず下半身主導で打点に入ります。
注意するポイントは、手出しよりも飛んでくるボールのスピードが速く、バウンド後にボール伸びてくる事です。
そのため、テンポを速めリズム良く一つ一つの動作を行う事と、打点に入る際にボールのワンバウンド地点に近づき過ぎないようにする事を気を付けます。
フォアハンド、バックハンド、回り込みフォアハンドで行います。
ボールコントロール
続いて、思ったところにボールを打つ練習です。
試合中、相手から飛んでくるボールをただ闇雲に相手コートにボールを打ち返しているだけでは試合に勝つことができません。
自分が思い描いたボールを狙った場所に打つためには、その場面を想定して繰り返しボールを打つことで体に覚えさせる必要があります。
クロス・逆クロス・ストレート
まずは自分の立つ位置からボールを打ち分ける練習が必要になります。
自分が立つ位置から真っ直ぐ正面に打つのか、引っ張り方向に打つのか、流し方向に打つのか。
基本的には手出しやラケットでの球出しで一本打ちを行います。
流し方向とは・・利き手側になります。右利きの子の場合は右方向、左利きの子は左方向です
長いボール・短いボール
試合中に狙う位置は横方向だけではありません。
あえて浅い位置にボールを打ったり、深い位置にボールを打つことで得点のチャンスを増やします。
しかし、本番でそういったボールをいきなり打とうとしても、なかなかうまく打つことができません。
横方向のボールコントロール同様、ボールを飛ばす距離の感覚も繰り返し練習し体に覚えさせる必要があります。
長いボール・短いボールは、自分がボールを打つ位置と相手コートの狙う位置を考えると、多くのパターンが想定されます。
- 自コート浅い位置から相手コート浅い位置に打つ極端に短いボール
- 自コート深い位置から相手コート深い位置に打つ短いボール
- 自コート浅い位置から相手コート深い位置に打つ短いボール
- 自コート深い位置から相手コート深い位置に打つ長いボール
- 自コート外の位置から相手コート深い位置に打つ極端に長いボール
つまり、極端に長く打つ場合から極端に短く打つ場合を想定して練習する必要があります。
ボールの長さをコントロールするのは意外と難しいです。
使っているラケットや張っているガットのテンションにも左右されます。
打ち分ける方法に関しては、長くなるので別記事にしたいと思います。
関連記事 ソフトテニスラケットのおすすめ張り替え時期とテンションについて

展開(場面ごとに)を想定した練習
ソフトテニスの試合は、ただボールを打ち合うだけでなく、相手からポイントを奪うために様々な手を駆使します。
そのため、あらゆる場面が想定されますが、ポイントが動く時というのは意外と似たような展開になることが多いです。
そこで、そういった場面を切り出し試合中を想定しながら練習しておけば、実際の試合でも有利にゲームを進めることができるようになります。
サーブ・レシーブ
サーブとレシーブは非常に重要です。
サーブとレシーブの技術が、その後の展開を大きく変化させます。
相手にとって打ちづらいサーブやレシーブを身に付けるのは当然ですが、ここでは、サーブやレシーブの場面を意識した練習をオススメします。
サーバー
サーブを打つ側は、レシーブの位置を予測し3球目を打ちます。
自分が打つサーブが、オーバーハンドなのかカットなのか、浅い位置なのか深い位置なのか、センター寄りなのかクロス寄りなのか、サーブの違いで返ってくるレシーブも変わってきます。
それを予測し、レシーブによって攻撃あるいは凌ぎの判断を素早く行い3球目を打つようにします。
ただ漠然とサーブを打って、漠然とレシーブされたボールを追いかけて打つのでは、上達が遅れます。
レシーバー
レシーブを打つ側は、その後自分がどんな展開をつくるのかをしっかりと考えながらボールを打ちます。
サーバーの構えや、構える位置のよってどんな軌道でどのあたりにボールが飛んでくるのか予測します。
その上で、ロブで振るのか、ショートクロスやツイストで浅いところに打つのか、センターに深くて速いボールを打ち込むのか、しっかりと狙いをもってレシーブを打ちます。
サーブ同様、自分が打ったボールに対しどんなボールが返ってきやすいのかを把握し、4球目の準備をします。
やはり、ただ漠然と打ち返しているだけでは上達が遅れます。
仕掛けた・仕掛けられた
ラリー中に、展開が動くようなボールを打った、あるいは打たれたところから打ち合います。
ツイストや、ショートクロス、コーナーに深いボールを打って、得点を奪いにいった後の展開を想定します。
小学生や中学生の初心者に多いのが、仕掛けた後に足が止まってしまうことです。
自分の打ったボールを相手が返球でしてこれるかを見過ぎてしまい、次の一手が遅れます。
せっかく仕掛けたボールが有効で、甘いボールが返ってきても、反応がワンテンポ遅れてしまい決めきることができない事があります。
そういったポイントは非常にもったいないです。
また、逆に仕掛けられた後に、それを返す事に精一杯で、結局ポイントをとられてしまうことがあります。
特に、短いボールを打たれても、しっかりと打点に入ることが間に合えば形勢逆転のチャンスになります。
試合でいきなり上手くボールを裁くことは難しいので、何度も繰り返し練習します。
チャンスボールが上がってきた
先ほどとは逆に、相手から浅い位置に高く上がったボールが返球された時を想定します。
打点に入る時間は十分あるはずなので、しっかりとベストの位置に入ります。
実際試合でも何度か上げボールのような自分達にチャンスの場面が巡ってきますが、ここでミスをしてしまい相手にポイントを与えてしまっては、とても勝ち抜くことはできません。
本番でしっかりとポイントを奪えるように、練習を重ねます。
深く打ち込まれた
続いては、相手に深い場所に打ち込まれてからの展開です。
コートの外に出されてボールを打つことになります。
この時、適当ボールを返してしまうと、結局相手に思うよう打ち込まれてしまい。ポイントを奪われます。
相手が雁行陣なら、簡単に前衛の餌食となります。
自分達が不利な状況からでもポイントを死守し、逆にポイントと奪えるようになりましょう。
試合形式
ようやくく試合形式の練習です。
練習試合
これまで挙げた項目を意識しながら試合を行います。
1練習試合なので、あまり勝ったt負けたにこだわらず、自分自身の成長に力を注がせます。
関連記事 ソフトテニスの練習試合は本番と思え!

ソフトテニスの練習メニューを組み立てるポイント
ここまで、大きく分けた各種練習方法を紹介してきました。
これ以外にもいろんな練習方法もありますが、また機会があればどんどん書いていきたいと思います。
ここからは、このような練習方法をどのような事に気を付けながら組み立てていくかを考えていきます。
基本の部分もしっかり行う
私が、練習メニューを組み立てる上で、最も重要だと考える部分になります。
ボールをその場で手出しする練習をじっくりやります。
ある程度スイングがボールにあたるようになると、ラケットでの球出し中心になったり乱打のような打ち合いのような練習にうつっていきます。
そのこと自体は全然問題ないんですが、基本練習の反復をもっともっと大事にした方が良いと私は考えます。
選手が苦手な事を重点的に行う
試合や練習を見ていると、ミスをする場面が結構限られている事に気づきます。
- 浅いボールを拾いにいく
- 回り込みのフォアハンド
- フォアハンドの引っ張り
- バックハンド
- ローボレー
などなど
様々な場面が想定されますが、特に苦手な部分に練習時間を多く使い、弱点を克服します。
せっかく総合的な実力では相手を上回っていても、弱点を攻められて負けてしまうのはとても悔しいです。
子供達は、あまり苦手な練習をしたがらないかもしれませんが、できない事程時間をかけてできるようにする必要があることを、理解させましょう!
選手が得意な事を更に伸ばす
さきほどとは反対に、得意な事を伸ばします。
特に、スマッシュやチャンスボールを打ち込んだり、決まればほぼポイントにつながるような打ち方は、なるべく成功する確率を高くしてあげないと、使い物になりません!
また、失点の場面同様に得点の場面も意外とパターンが決まっていることが多いです。
それが無意識であれば、逆に意識的にそのような展開を作り、しっかりとチャンスをものにできるようになれば、試合に勝つことにつながります!
練習試合は本番を想定し、細かくディスカッションする
練習試合をすると、練習の延長だと思い集中力を欠く子がいます。
ミスをしても、軽い感じで『ごめーん』と笑っています。
残念ながらそのような子は、上達の機会を逃していることに気づいていません。
ミスをするということは、何かしらそこに原因があるはずで、その原因を突き止め解決していくのが上達への道です。
ゲームごとやポイントごとにプレーを振り返り、なぜそうなったのかを子供達と議論します。
仮にミスをしやすい場面が限られていればチャンスです。
そのミスを直すことで大幅に失点を減らすことができるからです!
なので、練習試合だからと気を抜かず、本番のような気持ちで試合に取り組み、良かった点、悪かった点をしっかりと見つけられるようにしましょう。
まとめ・ソフトテニスの練習メニューを組み立てる
ここまで、練習メニューを組み立てるにあたって私が気を付けていることを書いてきました。
あとは、選手の技術力に合わせてメニューの配分を決めていく感じです。
たとえば、初心者であれば一本打ちを多く行ったり、ある程度打てるようになった子であれば場面を想定した練習の時間を多くしたりします。
ですが、先ほども書いたとおり、どんなレベルの子でも基本の手出し一本打ちはたくさんやった方が良いと考えます。
それも、ただ漠然とボールを打たせるのではなく、一球一球スイングフォームを意識させ、正しく打つことを目標として取り組みます。
ただしいフォームで打てるようになることが、ミスを減らす近道につながるからです。
どんな事でもそうですが、やはりベースとなる基礎技術がしっかりしていないと、応用技術を使いこなす事ができません。
子供達は退屈だと思うかもしれませんが、上達の為に大事な事なんだと理解して取り組んでもらいましょう!
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